ブラフマー神と<ココナッツ>と<ケータキーの花>3/5

クンバコーナムのブラフマー神の寺院(Sri Brahmma temple)には、もうひとつ、言い伝えが残されています。  

ヴェーダの学問を司ることに自惚れたブラフマー神は、自分が唯一の創造主だと自負していました。それを知ったヴィシュヌ神は、魔人(ブータ)を創造して送りこみました。  

(自分の創造物ではない)魔人に震えあがったブラフマー神は、ヴィシュヌ神のもとへ駆けつけ、保護を求めました。するとヴィシュヌ神は、「おまえの高慢さを試すため、わたしが魔人を創造したのだ。おまえは創造のアートを忘れるだろう」と告げました。ブラフマー神が救済のための処方を懇願すると、「ならば地球に堕ちて苦行せよ」と指示しました。  

ブラフマー神は破壊のための大洪水がきても安定しているクンバコーナムを苦行の地として選び、すべての神々がその苦行に助力しました。  

やがて苦行に満足されたヴィシュヌ神がブラフマー神の前に現れ、ヴェーダの叡智を再び与え、ブラフマー神をもとの地位に戻しました。

南インド タミルナードゥ州 クンバコーナム(Googleマップ)

<続く>
ブラフマー神と<ココナッツ>と<ケータキーの花>4/5