カルパ・スワミ神と<クシャ草>4/5

ではどのようにして、クシャ草が神聖な植物となったのでしょうか。 神話は、次のように語ります。  

霊長ガルダとクシャ草
ガルダ鳥は、蛇族の詐欺にはまって奴隷の身となっている母を救済するため、 彼らの要求に応じて、彼らの欲するアムリタ(甘露)を、神々から奪い去りました。 神々の大群を手玉に取ったガルダ鳥のめざましい働きぶりに満足されたヴィシュヌ神は、 ”ヴィシュヌ神の乗り物になりたい、アムリタがなくても不老不死になりたい” という、ガルダ鳥の2つの願いを聞き入れました。

偉大な霊鳥となったガルダに、神々の王インドラは、永遠の友情を申し入れ、 ガルダはそれを承諾しました。 ガルダはインドラに事情を話し、アムリタを蛇族に渡すふりをするので、 自分がアムリタを蛇族の前に置いたら、すぐ持ち去ってほしいと頼みました。 ガルダは、蛇族に告げます。 「アムリタをクシャ草の上に置く。約束どおり、母を解放しなさい。 沐浴して身を清めてからアムリタを飲みなさい」 蛇たちが承知して沐浴している隙に、インドラはアムリタを奪って天界へ去りました。 このことに気付いた蛇たちは失望して、アムリタの置いてあったクシャ草を舐めました。すると、草の鋭さで舌が二股に裂けてしまいました。

こうしてクシャ草は、聖なるアムリタに触れたため、聖なる植物となりました。 また、神々の王インドラのはからいで、蛇たちが、霊鳥ガルダの常食となりました。

出典:日本の仏像
京都・三十三間堂の迦楼羅(かるら)王は、サンスクリット語・ガルーダの音訳

カルパ・スワミ神と<クシャ草>5/5 >>