カルパ・スワミ神と<クシャ草>5/5

さてもうひとつ、クシャ草が神聖なものとなった起源に関する神話が残されています。

◆乳海撹拌とクシャ草
太古の昔、ヴィシュヌ神の助言を得た神々とアスラたち(魔群)は、 アムリタ(不老不死の甘露)を得るために、巨大なマンダラ山を撹拌棒に用い、 竜王ヴァースキを山に巻き付けて両側から引っ張り合い、大海を撹拌しました。 大木がこすれあい火焔が吹き、大量の樹液や薬草のエキス、溶けた黄金が海に流れ込み、 大海はミルク・オーシャン(乳海)に変じました。

マンダラ山がその重みによって沈み始めると、 ヴィシュヌ神はクールマ(ヴィシュヌ神の化身の大亀)の姿となって水中に入り、 その背でマンダラ山を支えました。 また、マンダラ山が飛び出さないように、自らが山頂に座して上からも山を押さえました。再び乳海を撹拌すると、こすられたヴィシュヌ神の毛髪が乳海へと流れていき、 漂着してクシャ草となりました。

更に撹拌を続けるとついに、太陽神、月神、女神ラクシュミ、 酒の女神、スラビ(聖牛)、ウッチャイシュラヴゥー(白馬)、アイラーヴァタ(象王)、宝珠カウストゥバ、パーリジャータ樹(如意樹)、アプサラス(天女)たちが次々と現れ、 最後にアムリタの壺を持つダンヴァンタリ神 (アーユルヴェ―ダの医神)が現れました。

かくしてアムリタを独占したくなったアスラたちと、神々の間にアムリタ争奪戦が始まりました。そこで ヴィシュヌ神は、自らを絶世の美女に変えてアスラたちを幻惑し、その隙に、神々にアムリタを呑ませました。

さてこの争奪戦のとき、ひと雫のアムリタがクシャ草に落ちました。こうしてクシャ草は、アムリタから癒治の力を得て、 聖なるものとなったのです。  

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』1820年頃に描かれた乳海攪拌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』19世紀後半に描かれた乳海攪拌

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