4/27はハヌマーン・ジャヤンティ(生誕祭)です①

◆南インドのアナンタマンガラム寺院のハヌマーン神は、猿のお姿、三つの眼、十本の腕に武器、そして両脇に羽根をもちます。この寺院に伝わる神話を2回に分けてご紹介します!

◆ランカー島での戦闘でラーマは、カンタアストラ(インドラ神から授かった棘の弓)を放ち、羅刹王ラーヴァナの十の首を刎ねました。

ラーヴァナの十の頭は、六つの悪徳(欲望・怒り・貪欲・うぬぼれ・おごり・嫉妬)とマナス(マインド)、ブッディ(知性)、チッタ(限界のある意識)、アハムカーラ(エゴ)を象徴しています。ラーヴァナは四つのヴェーダ(知識)と六つのシャーストラ(聖典)をすべて熟知していたのにもかかわらず、実践をしなかったため、その恩恵を得ることができませんでした。

ラーヴァナの死後、ラーマは、シーター妃、弟のラクシュマナ、ハヌマーンを伴い、帰路につきました。途中、聖仙バラドワージャの庵に立ち寄り、温かいおもてなしの食事と休憩を取っていると、聖仙ナーラダがやって来ました。ラーマがナーラダに祈りを捧げると、ナーラダはラーマに祝福を与え、「ラーヴァナが死に、ランカーでの戦争は終わった。が、復讐の誓いを立てた子孫の悪魔たち、ラクタ・ ビンドゥとラクタ・ラクシャガンが生き延びて、海中で瞑想の苦行を積んでいる。この者たちが苦行を全うすれば、世界を破壊するだけの力を得るであろう。直ちに倒さなければならない。それができるのは、ラーマおまえだけだ」と言いました。しかしラーマは、「バラタと交わした約束を守るため、わたしはアヨーディヤーへの帰りを遅らせるわけにはいきません。バラタが身を投じる火を用意しているのです!」と言いました。

14年前、ラーマの代わりに王位についた弟のバラタは、14年間の森への追放期間が満了しても、兄のラーマがアヨーディヤーへ戻らなければ、直ちに自分は命を絶つ、という誓いを立てました。そしてラーマは、必ず帰ると約束したのでした。ナーラダは、「ではラクシュマナを遣わしなさい」と言いましたが、「ラクシュマナは(光である自分の)影なのだから、わたしと必ず一緒にいなければならない」と返答し、ハヌマーンに悪魔たちを殺し、アヨーディヤーに戻ってくるよう命じました。

ラーマはハヌマーンが使命を果たせるように、武器として、自分の①弓矢を手渡しました。また、他の神々も加勢し、自分たちの武器をハヌマーンに手渡しました。ヴィシュヌ神は②ほら貝と③円盤、ルドラ神は④三叉の槍、インドラ神は⑤金剛杵、ブラフマ神は⑥頭蓋骨、クリシュナ神は ⑦縄と⑧バターボール、シヴァ神は⑨斧と⑩鹿。神々の力を象徴するこれら十種類の武器を、ハヌマーンは十本の手に持ちました。そして(ヴィシュヌ神の乗り物である)神鳥ガルーダは二枚の羽根を、最後にシヴァ神は三つめの眼を与え、ハヌマーンの霊眼として、戦闘の場に顕現されました。

アナンタマンガラム寺院の入り口
門の中央に緑色のハヌマーン神が!
寺院の売店で購入した、ご神像のお写真