ムルガ神と<マンゴー>2/5


■聖パラニ山の神話②
さて、イドゥヴァンが下ろした天秤棒にくくりつけられた2つの山のうち、大きな方(シヴァ・ギリ)の頂に降り立った少年神ムルガ。この少年が重すぎて天秤棒を持ち上げられなくなったイドゥンバンは、自らの使命を果たすため、少年に去るよう要求しました。しかし未だ心穏やかではなかったムルガ神がこれを拒否したため、激しい戦いが始まり、あっという間にイドゥンバンは殺されてしまいました。

弟子の道中を見守っていた聖者アガスティアのお取りなしによって命を吹き返したイドゥンバンは、遅ればせながら少年が 自分のイシュタ・デーヴァ(守護神)のムルガ神であることに気づき、悔い改めて主の帰依者となり、小さい方の山(シャクティ・ギリ)の守護神となることを許されました。

今でも、シヴァギリ(聖パラニ山)の隣、西南の方向にシャクティ・ギリが聳えています。

以降ムルガ神は、心の平安と孤高の境地に至り、放棄のヨーガを確立してシヴァ・ギリの頂に住み、巡礼に訪れる地上の人びとの願いをかなえておられます。

またシヴァギリの中腹におられる、天秤棒の担ぎ手であったイドゥンバンを拝礼してから、 ムルガ寺院を参拝するべきと言い伝えられており、カヴァディー(天秤棒)をかついで巡礼に訪れる献身者には、神の祝福が余すところなく与えられるといわれています。

※すべてのイラストは”Arulmigu Dandāyudhapani Swāmi Dēvasthānam, Palani”より転載

イドゥヴァン
シヴァ・ギリを昇るロープウェイより
シャクティ・ギリを臨む

<3/5へ続く>