ムルガ神と<マンゴー>4/5


■聖山パラニに伝わるもう1つの神話
ムルガ神とパンチャ・アムリタ

現在のカリ・ユガが始まる直前BC3102、『暗黒の時代において人類が霊性を向上させるための最善の方法は何か?』ということを決定するため、大勢のシッダ(成し遂げた者という意味)達が集まり、会議を開きました。その結果、バクティ(愛と献身のヨーガ)が最良の道として選ばれ、シッダ達が最も敬愛する聖パラニ山の『ムルガ神』を礼拝する儀式が、聖者ボーガルの手に委ねられました。

聖者ボーガルは、パンチャアムリタ(5種の果物や蜂蜜などの甘み)の他、種々のお捧げものでムルガ神のご神像を浸すアビシェーカム(灌頂)の儀式を定め、今日まで受け継がれています。16世紀まで寺院の祭司は、聖者ボーガルの1人の弟子の子孫に世襲されていました。

このアビシェーカムの儀式に使われるムルガのご神像は、カリ・ユガの期間中(43万2000年)存続する物質で作られる必要がありました。聖者ボーガルは、9種類の神秘の薬草や鉱物から成るナ―ヴァ・パシャムを処方し、堅牢なご神像を作り上げましたが、ご神像の構成成分は、現在の科学者によっても解明されていません。

ご神像を浸した後のプラサーダム(お供物)には微量ながらご神像の成分が含まれるため、それを食すと、帰依者の霊的な向上が促進されるといわれています。

※「Palani Panchamirtham(パラニ・パンチャアムリタ)」と呼ばれるプラサーダムが、山の麓で売られています。材料は神聖なバナナ、ギー(精製バター)、カルダモン、ジャガリー(砂糖キビから作られる粗糖)、蜂蜜の5種類に、風味付けとして氷砂糖とデーツが加えられています。

<5/5へ続く>