女神トゥルシー・女神ブーミィと<トゥルシー>1/2

■クンバ・コーナム
ウッピリアッパン寺院に伝わる神話

かつて女神トゥルシーは、ヴィシュヌ神にお近づきになるために苦行を積み、ティルヴァンナガラムという地のトゥルシー(植物)に宿りました。また女神はブーミィは、自分は(ヴィシュヌ神の神妃である)女神ラクシュミーと同様のすべての質を持っているのに、あなたの胸の中に居られない、とヴィシュヌ神に不満を訴えました。すると、ヴィシュヌ神は、「そなたは、女神ラクシュミーとして、マーカンデーヤ・マハリシの娘に生まれるだろう」とお答えになりました。

一方、マーカンデーヤ・マハリシは、ヴィシュヌ神を熱心に崇拝し、女神ラクシュミーを自分の娘に、そしてヴィシュヌ神を娘婿にいただきたい、という恩恵を欲していました。マーカンデーヤは聖なる巡礼中、ティルヴァンナガラムこそ自分の望みを達成させる地であると確信し、女神ラクシュミーの祝福を求めて数千年の間、供儀を捧げました。するとあるとき、女神トゥルシーが宿る聖なるトゥルシー(植物)のもとに、女神ラクシュミーが赤ん坊のお姿で現れました。マーカンデーヤ・マハリシは、この赤ん坊が女神ラクシュミーのすべての質をもつことを理解して、自分の望みの一部が叶ったことに気づき、幸せのうちに、この子を育てました。やがて若い娘へ成長すると、ヴィシュヌ神がお年寄りの男の姿でやって来て、結婚を求めました。マーカンデーヤは「あなた様はお年を召しております。わたしの娘は若すぎて、ちょうどよい塩加減の食事を作ることさえできません」と言って丁重にお断わりしました。しかし男は「あなたの娘が塩抜きの食事を作ったとしても、わたしはその食事を最高のものとして受け入れます。わたしはあなたの娘と結婚するまでここを去りません」と言いました。マーカンデーヤはヴィシュヌ神の助けをかりて、このお方こそ、自分の供儀の恩寵として現れた、ヴィシュヌ神ご自身であることに気づきました。マーカンデーヤが開眼すると、お年寄りは、コンチ(ほら貝)とチャクラ(円盤の武器)をお持ちの、ヴァイクンタ(天界)におられる、4本腕のヴィシュヌ神のお姿を現しました。マーカンデーヤは、よろこんで愛する娘をヴィシュヌ神に嫁がせました。

塩抜きの食べ物を受け入れたヴィシュヌ神は、ウッピリアッパン(Uppili Appan)(タミル語で塩抜きの食べ物をUppu という)として、また神妃である女神ラクシュミーは、女神ブーミィとして、ウッピリアッパン寺院で、崇拝されています。寺院では、ウッピリアッパンに捧げるお料理に塩は使いません。

こうして女神トゥルシーと女神ブーミィはご一緒に、ヴィシュヌ神に捧げられるトゥラシーの葉のガーランド(首飾り)として、すべてのヴィシュヌ寺院で、ヴィシュヌ神の胸に留まれるようになりました。

女神トゥルシー・女神ブーミィと<トゥルシー>2/2

ウッピリアッパン 寺院
ガーランド(緑色の葉が聖なるトゥルシー)