女神トゥルシー・女神ブーミィと<トゥルシー>2/2

ヒンディー名:トゥルシー
サンスクリット名:トゥラシー

学名:Ocimum tenuiflorum L.
英名:ホーリーバジル(Holy Basil)
和名:カミメボウキ(神目箒)

科:シソ科
種:カミメボウキ
原産地:アジア、オーストラリアの熱帯

サンスクリット語のトゥラシーは「比類なきもの」という意味で、インドでは信仰においても、薬効においても、すべての植物を凌駕して尊ばれてきました。

ヴィシュヌ神の帰依者の家では、家の入口にはトゥラシーの鉢植えを飾り、庭にはトゥラシー用の特別な花壇を作り、毎日、聖なるトゥラシーにプージャ(礼拝)を捧げて、家族の繁栄と幸福を祈ります。またいかなる供物であったとしても、トゥラシーの葉なしでは、ヴィシュヌ神やクリシュナ神への祭祀は成立しないといわれています。クリシュナが幼年期を過ごした聖地インドのヴリンダ―ヴァナとは、サンスクリットで「トゥラシーの森」という意味。トゥラシーにまつわる様々な物語が、インド各地で、たくさんの伝説として語り継がれています。

『パドマプラーナ』という聖典には、次の記述があります。
トゥラシーを目にするだけで、すべての人の罪が取り除かれる。
トゥラシーに触れるだけで、身体が浄化される。
トゥラシーに祈るだけで、すべての病が治癒する。
トゥラシーに水をやるだけで、死への恐怖が破壊される。
トゥラシーに植えたり移植したりするだけで、神を実現する。

一方で、古のアーユルヴェーダの医師らが、ヤマの使者(病気のこと)は、トゥラシーの茂る家に近づくことができない、と宣言したほど優れた医薬品としての効用は、現代科学によっても立証されています。

女神トゥルシー
MOTHERHOUSE OF THE GODDESSより引用

女神トゥルシー・女神ブーミィと<トゥルシー>1/2