シヴァ神と<マンゴー>


■女神パールヴァティはマンゴーの木の下で、シヴァ神に捧げる苦行をしました。シヴァ神は女神の献身を試すため、火の神アグニを送りましたが、女神はヴィシュヌ神に助けを求め、月の光でマンゴーの木とご自分を冷やしていただきました。

するとシヴァ神は女神の苦行を妨げるため、ガンジスの女神を送りました。女神パールヴァティは「邪魔をしてはいけない。わたしたちは姉妹なのだから」と諭し、これに女神ガンジスが同意しました。

女神パールヴァティは砂でシヴァ・リンガム(ご神体)をつくり、シヴァ神と融合し、やがてこのシヴァ・リンガムが、エーカンバレーシュワラ(マンゴーの木の王様)として知られるようになりました。


■エーカーンバレーシュワラ寺院
1509年建立
カンチープラム最大のシヴァ神を祀る寺院
南インド最大級の高さ60mのゴープラム(塔門)をもつ
寺院内部の回廊に千本の石柱が林立
ご本尊 シヴァ・リンガム

エーカーンバレーシュワラ寺院の本堂の奥に、かつて女神パールヴァティが苦行されたマンゴーの木があります。樹齢3500年、4本の枝は4つのヴェーダ(叡智)を表すといわれています。葉は全て異なった形をしていて、4つの季節に異なる4種類のマンゴーの実がなります。この聖木を時計回りにまわることは吉兆とされます。


◆マンゴーは、如意受(願い事を成就する木)、また愛の象徴とされ、愛の神カーマはマンゴーの香り漂う花矢を射ります。
◆マンゴーの葉は、女神ラクシュミを意味し、ネガティブなエネルギーを寄せ付けないといわれています。またの男児の誕生を保証するために結婚の儀式でマンゴーの葉を使わうなど、縁起が良いと考えられています。

マンゴー