ヴァラダラージャ神と<インドボダイジュ(イチジク)>1/3

■ ヴァラダラージャ・ペルマール寺院 に伝わる神話

ある時、女神サラスワティはブラフマー神に尋ねました。『ラクシュミと私、どちらがより偉大?』『もちろん、ラクシュミさ』とブラフマー神。女神サラスワティは夫の答えに憤慨し、去っていきました。

ブラフマー神はちょうどその頃、現在のカンチープラムにあるイチジクの森で、アシュワメーダ(馬祀祭)・ヤギャ(供儀)の準備をしていましたが、女神サラスワティがこれに参列するのを拒否したので、1人で執り行いました。

怒りの女神サラスワティはアスラ(魔族)らの加勢を得、このヤギャを邪魔するため、濁流ヴェガヴァティ川のお姿をとって、全域を洪水で一掃しようしました。

大弱りのブラフマー神は、救済のために祈りを捧げました。するとマハー・ヴィシュヌ神が現れ、自らの身を横たえて濁流を堰き止めてくださいました。その後も女神サラスワティは様々な手段を講じてヤギャを止めようとしましたがことごとく失敗し、最後にはマハー・ヴィシュヌ神の恵みによって心の平安が与えられました。

アシュワメーダ ・ヤギャが終了すると、その聖なる炎の中から、数千のまばゆい太陽の光を発するヴィシュヌ神が、ヴァラドラージャ神のお姿で顕れました。ブラフマー神の切なる祈りに、ヴィシュワカルマ神(天界の建築の神)が応え、聖なるイチジクの木でヴァラドラージャ神のご神体を創りました。ヴァラドラージャ神はこのご神体に永久にとどまり、カンチープラムはエレファントヒルの頂までやって来る参拝者たちに、祝福を与えることに同意しました。それが現在の、ヴァラダラージャ・ペルマール寺院です。

ヴァラダラージャ・ペルマール寺院