ヴァラダラージャ神と<インドボダイジュ(イチジク)>3/3

■インドボダイジュ
サンスクリット語: アシュヴァッタ またはピッパル
学名:Ficus religiosa
英名:Bo tree、Peepul、Bodhi Tree、Sacred fig
和名:インドボダイジュ(印度菩提樹)
科:クワ科
属:イチジク属
半落葉性高木(熱帯地方では高さ30 mに生長する。本来は落葉性であるが、常に多湿なところでは常緑となる)

●仏教、ヒンドゥーにとっての聖木
生命の樹、永遠を与える樹
インドの国花

●仏教の開祖・釈迦がその樹下で悟りを開いたと伝わる菩提樹。無憂樹・沙羅双樹と並び仏教三大聖樹のひとつとされています。

●ヒンドゥーでは、マハー・ヴィシュヌ神、トリムルティ(根:創造の神ブラフマー、幹:維持の神ヴィシュヌ、葉:破壊と再生の神シヴァ)の象徴とされ、様々な祭式で礼拝の対象となります。インドのほとんどの聖地や寺院には、この聖木が植えられていて、切ったり、傷つけたりすることは戒められています。

●古代インドの聖典『バガヴァッド・ギーター』は、アシュヴァッタはクリシュナ神の化身であると説いています。クリシュナのリーラ(遊戯)のひとつに、クリシュナが、池で沐浴をしているゴーピー(牧女)たちの衣を盗んで木の上に隠してしまう神話がありますが、このときクリシュナが登った木が、アシュヴァッタであるといわれています。

世界の大洪水の際に現れた、 アシュヴァッタ の葉に横たわるベビークリシュナ

「わたしは、すべての樹木のなかでは、アシュヴァッタである」『バガヴァッド・ギーター』第10章26節