シヴァ、クリシュナと<聖木ジャンブ> 1/4

■シヴァ神にまつわる神話
シヴァ神の熱烈な帰依者であったマハリシ・ジャンブは、あるとき「ヴェンナーヴァルの実」という非常に珍しい果物を見つけ、シヴァ神に捧げました。シヴァ神はその実を食べて種を吐き出しました。マハリシ・ジャンブは圧倒的な帰依心から、シヴァ神の口から出たその聖なる種を食べました。すると種はマハリシ・ジャンブの頭頂から、ヴェンナーヴァル樹として成長し始めました。マハリシ・ジャンブはシヴァ神に、このヴェンナーヴァル樹の下に住みついてくださいと祈りました。シヴァ神はそれに応え、「いずれ私がこの樹の下に住む時が来るだろう」と予言しました。以後この場所は、ジャンブゲシュワラムの名称(通称;ジャンブの森)で知られるようになりました。

さて、かつて女神パールヴァティは戯れに、シヴァ神の苦行を邪魔したことがありました。シヴァ神は女神に腹を立て、聖カイラス(シヴァ神のお住まい)から地上に行って懺悔をするようにと言い渡しました。女神はアキランデシュワリとして地上に降り立ち、ジャンブの森がシヴァ神への祈りに最もふさわしい場であることを知りました。アキランデシュワリは聖河カーヴェーリの水を汲んでシヴァ・リンガをつくり、マハリシ・ジャンブの頭頂から進化した「ヴェンナーヴァル」の樹の下にシヴァ・リンガを祀り、礼拝を始めました。後にこのリンガは、南インドのパンチャブーダ・リンガ(5元素を表す5つのリンガ)の中の、アプ・リンガ(水のリンガ)として知られるようになりました。

アキランデシュワリの懺悔に満足されたシヴァ神はついに、ジャンブケシュワラ神としてお姿を現し、女神アキランデシュワリへシヴァ・ニャーナ(シヴァ神の英知)を授け、祝福を与えました。

マハリシの頭頂から成長した聖木
アプ・リンガをつくるアキランデシュワリ
女神アキランデシュワリのご神像(イメージ)

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