シヴァ、クリシュナと<聖木ジャンブ> 3/4

ジャンブケーシュワラ寺院は、この地で象がシヴァ神を礼拝したことから、ティルヴァンナイ寺院としても知られています。

■神話 聖カイラスに、マリャヴァンとプシュパダンタという2人のシヴァ神の弟子がいて、いつも喧嘩をしていました。ある喧嘩でマリャヴァンはプシュパダンタに『地上に堕ちて象になる』という呪いをかけました。するとプシュパダンタはマリャヴァンに『地上に堕ちて蜘蛛になる』という呪いを返しました。
こうしてジャンブケシュワラに来た2人は、ジャンブの森でシヴァ神の崇拝を続けました。象は聖木ジャンブの下にあるアプ・リンガに、聖河カーヴェリーの水でアビシェーカム(灌頂)を捧げました。蜘蛛は、リンガの上に直接枯葉が落ちないように、また直射日光が差さないように、蜘蛛の巣をはりました。すると象は、リンガの上にある蜘蛛の巣を見て埃と思い、それを拭い、水を注いで清めて礼拝を続けました。そのようなことを毎日繰り返した蜘蛛はついに怒り、象の鼻の中に入り込んで刺し、死へ至らしめました。ジャンブケシュワラ神のお姿としてのシヴァ神は、この弟子たちの深い献愛に心を動かされ、2人を呪いから解放しました。
この地は象がシヴァ神を礼拝したことから、Thiru Aanai Kaa (thiru聖なる、aanai 象の、 kaa (kaadu) 森)と呼ばれ、やがて後に、ティルヴァンナイ寺院 (Thiruvanaikoil)と呼ばれるようになりました。
象を殺すという罪を犯した蜘蛛は、次の生で、Kochengat cholan(「赤い目の王」の意)として誕生し、70の寺院を建立しました。

そのうちのひとつが、ティルヴァンナイ寺院ですが、前世での象への敵意を思い出して、小さな象でさえ入ることのできない、わずか4フィート(121.92cm)高さ、2.5フィート(76.2㎝)幅の入口を作りました。シヴァ神自ら、アプ・リンガが安置されている寺院の内奥(第5層)をつくり、そこに蜘蛛のお姿としてのご自分を顕現しました。

ジャンブの森

シヴァ、クリシュナと<聖木ジャンブ>2/4

シヴァ、クリシュナと<聖木ジャンブ>1/4