薬草の宝庫コダチャドリ1/5

インドはカルナータカ州、マンガロールより北方へ135Km、シュリー・ムーカンビカ(シュリー・コルール)という小さな村があります。背後には、コダチャドリの頂が迫り、聖なるサウパルニカ川が流れています。かつて、その川のほとりでサウパルナ(聖鳥ガルダ)が苦行して解脱を得たことから、サウパルニカ川として知られるようになりました。今日でも、その場所に「ガルダの洞窟」という名の小さな洞窟があります。

コダチャドリには多様な植物が生い茂り、その養分を蓄えた水には、64種類もの植物の薬効成分が含まれ、サウパルニカ川で沐浴すれば、あらゆる病の治癒が得られるとされます。

コダチャドリ水流
Credits: Trawell.inSource of River: – Kodachadri Water Stream.

■なぜ、コダチャドリが薬草の宝庫となったのでしょうか? 古代インドの叙事詩『ラーマ―ヤナ』に描かれた伝説の薬草<サンジーバニー・ブーティ>を紹介します。

『羅刹王ラーヴァナの息子、インドラジッタの投げた強力な矢に倒れたラクシュマナ。ラーマは瀕死の弟を救うために、ヒマラヤに生育する神薬サンジーバニー・ブーティを探してくるようハヌマーンに求めました。サンジーバニーとは、命を蘇らせるという意味です。

猿神ハヌマーンは風のような速さで、ヒマラヤ山脈のドローナ・ギリの頂に達しましたが、サンジーバニーを特定することができませんでした。一刻を争うため、主ラーマに愛と忠誠を誓うハヌマーンは、その怪力で山全体を持ち上げ、ラクシュマナの元へと運びました。薬の塗布後、ラクシュマナの意識は奇跡的に蘇りました』(2/5へ続く

イラスト引用
https://en.wikipedia.org/wiki/Sanjivani_(Hinduism)
イラスト引用
https://www.naditarangini.com/sanjeevani-booti-a-magical-medicinal-herb-from-ramayana/