薬草の宝庫コダチャドリ4/5

それでも残虐な行為を続けた悪魔ムーカスラと、母なる女神ラクシュミとの間についに戦いが起こり、現在のコルールより24Km離れたマーラナ・ガートという場所で、母神ラクシュミはムーカスラを倒しました。
降伏したムーカスラは母神の蓮華の御足に全てを明け渡し、祈りを捧げました。この祈りを受け容れた母神は、そこに自ら顕現されたスワヤンブ・リンガムと溶け合って神秘的な力を創造し、ムーカスラを殺しました。神々は天から勝利の角笛を鳴らし、花々を降り注ぎました。
女神が融合したスワヤンブのジョーティー・リンガムは、偉大なコーラ・リシ(聖賢)の終わることのない供儀(瞑想)の効果が地球全体を覆った結果、パラメーシュワラ(シヴァ神)がつま先でチャクラを描くと、そこからスワヤンブ・リンガム(シヴァ神の神聖な現れ)が生まれたとされます。リンガムの片側を母神ラクシュミ、パールヴァティ、サラスワティらが、片側をヴィシュヌ神、ブラフマー神、パラメーシュワラ神が形成したとされます。
神々を祝福した女神はそれ以降、献身者の願いを叶える大女神ムーカンビカと呼ばれるようになり、この地を永遠の創造の中心地と定めました。それが現在のシュリー・ムーカンビカ(シュリー・コルール)です。
ムーカスラを殺した後、大女神ムーカンビカはその場所で、マーラナ・ホーマの儀式を執り行い、ムーカスラの魂にブラマリンゲーシュワラ神としての救済を与え、大女神とブラマリンゲーシュワラ神は、母と子の関係になりました。現在のブラマリンゲーシュワラ寺院には、ブラマリンゲーシュワラ神のご神像と大女神の象徴として、今から1,200年程前にアーディ・シャンカラが設置したとされる、シュリー・チャクラ(シュリー・ヤントラ)が祀られています。(5/5へ続く)

ム―カスラの殺害 イラストの引用