薬草の宝庫コダチャドリ5/5

さて時を経て約1200年前のある吉日、アーディ・シャンカラは大女神ムーカンビカに供儀を捧げる場所として、コダチャドリの深い森を選び、瞑想を始めました。

するとそれに喜んだ大女神が御姿を現わし、シャンカラの望みを聞きました。シャンカラは大女神をケララへお連れしたいと答えました。大女神は承諾し、シャンカラがどこに行こうと必ず後についていくので、ケララに到着するまで、決して振り返ってはならないという条件を出しました。こうして二人は歩き始めました。シャンカラには唯一、大女神の足元の(アンクレットの)鈴の音が聞こえます。ところが現在のシュリー・ムーカンビカ寺院の敷地付近まで降りて来ると、突然鈴の音が聞こえなくなり、シャンカラは思わず振り返ってしまいました。その瞬間、大女神はそこで立ち止まり、動かなくなりました。シャンカラは残念ではありましたが、スワヤンブ・ジョーティー・リンガムの背後に、シュリー・チャクラ(シュリー・ヤントラ)を置き、その上にパンチャ・ロハ(5つの金属)の大女神のご神像を設置しました。
大女神ムーカンビカ寺院の元の場所は、コダチャドリの頂にあったとされます。シャンカラは、人々が大女神ムーカンビカが礼拝しやすいように、大女神を麓にお連れする道具になった、と信じられています。

『コダチャドリの頂上』
かつてシャンカラはこの場所で瞑想したと言われ、
サルヴァニャーナピータと呼ばれる
小さな石の寺院を大女神のために建てました。

『麓のシュリ―・ムーカンビカ寺院』