ブラフマー神と<ココナッツ>と<ケータキーの花>5/5

◆ケータカ
サンスクリット名 ketaka
学名:Pandanus odoratissimus
学名:Pandanus odoratissimus
英名:Screwpine, Umbrella tree 
和名:阿檀(アダン)
科:タコノキ科
※雌雄異株 ケータカ(m) ケータキー(f)

◆阿檀(アダン)
‟トカラ列島の口之島より南に分布するタコノキ科の常緑小高木。海岸に自生し、パイナップルのようなオレンジ色の実をつける木です。枝から太い気根をタコの足のようにのばし、海辺に密生して海岸林を形成しています。雌雄異株で、雄株は白い房のような雄花が咲き、雌株は丸い雌花が咲きます。長さが1m以上になる細長い葉は、縁にギザギザのとげを持っています。”

アダンの葉は昔から様々な生活用品の材料になったようで「アダン民具」と呼ばれています。アダン葉の筵(むしろ)や草履がかつては県内全域で使われていたそうです。また、1904年頃にアダンの葉で編んだパナマ帽の製造が始まり、1911年には「アダン葉帽子」は砂糖・泡盛生産に次ぐ売上を記録するほどさかんに生産されました。しかしその後、原料のアダンが乱獲によって安定供給できなくなり、それに代わる紙製のパナマ帽が主流になっていったそうです。
現在、アダンは防風・防潮・防砂の役割を持つ海岸林として県内で広く利用されており、沖縄のビーチの景観には欠かせない名傍役でもあります。” Web「沖縄百科事典」より引用

Web「沖縄百科事典」より引用 阿檀(アダン)
Web「沖縄百科事典」より引用 阿檀(アダン)

ケータキーは高さ 2~6mになる常緑の小高木。果実はパイナップルに似ていて、熟すと甘い芳香を放ちますが、ほとんど繊維質で人間が食べるには適しません。ケータキーの花は香り高いことで知られ、アロマオイルや香水の原料となります。葉は生、乾燥品、抽出液としてエスニック料理やデザートの香りづけに用いられます。医薬的にも価値がある植物です。
その他インドでは、葉はマット、帽子、バック、バスケット、紙、草ぶきの屋根などに、根はバスケットを結ぶ紐、ひげ根は絵筆のブラシなどにも用いられます。

さてインド神話にあるシヴァ神の言葉は現実となり、偽証した<ケータキーの花>は禁断の花となり、今でも神々への崇拝において、ケータキーが捧げられることはありません。
また神話のとおり、シヴァ神の眷属(一族)に捧げること、シヴァ神の信徒が身につけることは認められており、シヴァ神の次男であるガネーシャ神の祝祭、ガネーシャ・チャトルティ(生誕祭)とサンカシュティ・チャトルティ(讃える日)は例外。ガネーシャ神に捧げるべき21種類の葉と花、21個のモーダカ(好物のスイーツ)のうちの1種類が、ケータキーの葉と花とされます。またガネーシャ・チャトルティ前日のガウリーヴラタにおいても、女神ガウリー(シヴァ神の神妃パールヴァティの別名)へケータキーの花が捧げられます。ガウリーヴラタの日には、女神ガウリーが物質界の家を訪れて祝福を与えてくださる。またその翌日、女神ガウリーをカイラーサ(精神界)の自分たちの家へ連れ戻すために、息子のガネーシャ神がやって来ると信じられています。お祭りの後、乾燥したケータキーの葉を集め、シルク・サリーの間にそれを挟んでおいて、かぐわしい香りをシルクにうつすインド女性もいます。またインドの少女たちは、ケータキーの葉で髪を飾ります。

香しい花は、白色の細い総包に包まれる

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